個人でリリースしているiOSアプリ「印象派なう」の売上を見ていたら、面白いことが見つかったので、今回はその話をします。
結論としてはタイトルの通り、「印象派なう」の課金アイテム「プレミアム版」の価格を120円から360円へ3倍に値上げしたら売上が4倍になりました。
アプリについて
「印象派なう」は、8年前にリリースしたiOSアプリで、累計10万ダウンロード以上されている写真加工アプリです。
写真を印象派の絵のように加工できるのが特長で、独自で考案したアルゴリズムを使っているため、他の加工アプリとは一味違う加工ができます。
「プレミアム版」は、以下の機能を提供するアプリ内課金アイテムで、最初は120円で提供していました。
- すべての加工方法を選択できる
- 広告を非表示にする
実際に加工した写真は以下のようになります。
↓ストアリンク
https://apps.apple.com/jp/app/%E5%8D%B0%E8%B1%A1%E6%B4%BE%E3%81%AA%E3%81%86/id477431391
値上げ
「プレミアム版」は、6年以上ずっと120円で提供してきましたが、全然大した収入になっていませんでした。
そんなある日、読んだ本に、”人は無料と有料の差を大きく感じるけど、有料なら価格差はそんなに気にしない”という旨のことが書いてありました。
値上げして売れなくなったとしても問題ない程度の収入だし、思い切って値上げしてみようと思い立ち、2018年の2月に360円に値上げしました。
値上げの結果
アプリのダウンロード数、アプリ内課金の購入数、売上は、それぞれ以下のようになりました。
アプリのダウンロード数
アプリ内課金の購入数
売上
アプリのダウンロード数は、2015年ぐらいから横ばいです。
アプリ内課金の購入数も、2015年ぐらいから横ばいでしたが、値上げした2018年2月から3割程度増えています。
そして、気になる売上は、値上げするまではアプリのダウンロード数と同じような推移をしていましたが、値上げ以降、4倍程度に急増しました。
つまり、値上げによって、購入数は3割増え、売上は4倍になりました。
事前の予想では、値上げによって購入数は2,3割減って、売上は2倍ぐらいになるかと思っていたので、良い意味で期待を裏切られました。
むしろ、6年間の損失。。
なぜ値上げで購入数が増えたか、ということに関しては
価格が上がったことで、プレミアム版の価値も高く評価されるようになったから
ではないかと思います。
「プレミアム版」≒「新しい画像加工方法が使えるようになる」なので、
120円
→大した画像加工はできなさそう
360円
→すごい画像加工ができるかも
とユーザーが想像したのではないでしょうか。
まとめ
今回の教訓は以下になるかと思います。
- アプリ内課金を120円で提供するのは損する可能性がある
- 強気の値段設定にしても意外と買ってもらえる
- 強気の値段設定にした方が、売上が増える可能性がある
ちなみに、今は、調子に乗ってさらに値上げして480円でプレミアム版を提供しています。
ただ、購入数は微減して売上は横ばいになったので、360円前後が適正価格なのかなという気がしています。
そんな「印象派なう」は、iOS版だけでなく、Android版もリリースしています。
ぜひダウンロードしてみてください!
iOS: https://apps.apple.com/jp/app/%E5%8D%B0%E8%B1%A1%E6%B4%BE%E3%81%AA%E3%81%86/id477431391
Android: https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.shunsuke_osawa.impressionismnow&hl=ja